山下達郎さんのコンサートが20、21の両日に仙台市内であった。入場口のチェックは入念だった。名前入りのチケットと共に、運転免許証や学生証など顔写真付き身分証明書の提示を求められた。もちろん持ち物も▼「リストバンドも付けさせてください」。随分物々しい。こうなった理由は社会問題化するチケットの高額転売防止と聴衆の身の安全を確保したかったから。いい音楽を聴くにはこれも仕方ないということか▼目を転じて諸外国のコンサートをのぞけば、警備の目はもっと鋭い。テロとの闘いがそこにある。空港の保安検査場のようにセキュリティーゲートまで設ける会場もあり、紛らわしい物を持ち込めば一発ではねられる▼英中部マンチェスターで22日夜(現地時間)、米女性歌手のコンサート会場で爆発とみられる「凄惨(せいさん)なテロ」(メイ首相)があった。20人を超える死者が出たという。逃げ惑う聴衆、駆けつける救急車。現場の様子をテレビで見ていて、改めて世界は危険と隣り合わせなのだと知る▼だからテロ等準備罪の新設を-。とすんなりいくわけにはいかない。「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ法案は一般市民をも対象とする恐れがある。テロは憎むべき対象だが、息が詰まる監視社会も怖い。思いっきりライブに興じたい。(2017.5.24)