商店街で不幸にも大火があり、ある一角がぽっかり空き地になった。同じニッポン市の駅前商店街が手を差し伸べた。「祭りで歌手を招く。元気づけるためにあっちでも歌ってもらおう」▼架空の話は続く。駅前商店街が「歌手のギャラやステージ設置費はこっちで持つ。ただ移動費や会場周辺の警備費用はあっちの商店街に賄ってもらおう」。聞いた被災商店街は「おいおい聞いてないよ。あの火事の後始末で大変なのに…」▼2020年東京五輪・パラリンピックの費用負担問題の行方である。東京都外で競技を行う宮城、福島など7道県が警備や輸送、医療などの費用計400億円程度を出す方向で、国、都、大会組織委員会が大筋合意したという。「後出しジャンケンで結構な金額を求められても…」。都外自治体はそんな心境だろう▼宮城県は「地元自治体の責務の範囲内で、どうしても負担はあるだろう」とやや軟化しつつある。サッカー競技が開催されるだけに、ある程度の経済効果は期待できる。びた一文出さぬという姿勢はどうだろうか▼さてニッポン市の話。大火のあった商店街は「災禍で世話になった人たちへの感謝ライブにしよう」と話し合っているとか。宮城や福島にとっても、五輪はぜひとも寄り添うものであってほしい。(2017.5.26)