フォーク歌手高田渡さん(故人)に『値上げ』という曲がある。「全然考えぬ…当分…今のところ…なるべく…時期が早すぎる…消極的であるが…やむを得ぬ…」。どこかの社長さんが尻込みしながらも決断するまでの心の揺れをユーモラスに描いた▼企業がサービス料金の引き上げや製品を値上げするのは思案のしどころであろう。時の経済情勢を分析しながら会社存続と消費者の反応をてんびんに掛け、右が重い、左が重いと目盛りを読む▼きのうから、はがきの郵便料金や電気料金、バターなどが値上げされた。左党にとって気になるのは、改正酒税法などの施行に伴い、ビール類が量販店で安売りされにくくなった。責任者の方々、取りやすいところから取るわけではないでしょうね、とはかりの一方の皿から言っておく▼「6月の家計 梅雨模様」。本紙1日の経済面の見出しである。消費者のどんより沈む気持ちをよく言い表していた。人件費や原材料費の高騰を背景に、庶民の日常生活はじわりと圧迫されそうな雲行きといえる▼じめじめした気分を救ってくれたのは、中学生や高校生の「衣替え」だった。朝夕、JR仙台駅周辺を行き交う白いセーラー服姿。そうだ、懐の負担増は生活スタイルを見直すしかない。余計な衣は脱ぎ捨てよう。(2017.6.2)