1980年代にマラソンの国際大会で活躍したジュマ・イカンガーさんは、日本でも人気のある外国人ランナーだった。大きく足を踏み出し、序盤から先頭でレースをけん引。元五輪代表の瀬古利彦さんらと名勝負を繰り広げた▼母国はアフリカのタンザニア。2020年東京五輪・パラリンピックの海外選手と住民が交流するホストタウン構想では全国で唯一、長井市が同国に登録された。リオ五輪出場の陸上を中心に事前合宿の誘致を目指す▼長井は最上川舟運で栄えた川港町。新たな国際交流の相手を探す中で、インド洋に面し、大陸最高峰のキリマンジャロを抱く同国へのラブコールが実った。不思議な組み合わせだが、さまざまな縁が両者を結んでいる▼現地に駐在する国際協力機構職員は長井市出身で、スポーツ省への橋渡しを買って出た。県内には約20年前、同国の研修生が来県した際につくられた山形・タンザニア友好協会があり、旧知の駐日大使館と市の間を取り持つ。誘致を担当する市職員の母親は、約30年前に同国から嫁いできた▼市は毎年秋に、日本陸連公認コースを使って長井マラソン大会を開く。ホストタウンを記念して将来は、タンザニアの選手を招待する予定。息の長い交流の先に夢見るのは、大会の国際レース化だ。(2017.6.10)