手紙やメールに出てくる「PS」は英語の「ポストスクリプト」の略語で追伸、後文の意味がある。本文を書いていて後から読み返したら「あ、あれを書き忘れた」となった場合、後ろに「PS…」と書き添える。結構便利な用語である▼仙台港で建設が進む石炭火力発電所の仙台パワーステーション(出力11万2千キロワット)は略称を仙台PSという。名は体を表すのだろう。試運転をいきなり始め、その後「あ、みんなに伝えるのを忘れた」と思ったのか、ホームページで公表。随分、手前勝手なPSではないか▼宮城県は事業者と公害防止協定を結んでいることから、「少なくとも運転開始の前日には連絡を取り合う約束だった」と批判。周辺住民を無視する物事の進め方に疑問の声を上げた。引っ越し先の地で「たき火」をするのだから、事前に隣人に知らせるのは当たり前。きちんと指導してほしい▼市民団体も「環境対策が十分なのか確認できず、指導を怠った行政も責任放棄だ」と声明を出した。事業者に出資する関西電力系などの関連会社や県も謙虚に耳を傾けてほしい▼安い発電コストを売りに各地で建設計画が相次ぐ石炭火力発電所。東北は現在14基の計画が進む。あの原発事故を乗り越えていくためにも、PSでない本文での説明が必要である。(2017.6.15)