劇の筋がなかなか読めぬ中、目の前で幕が下りた。と思ったら、楽屋から何やらガタゴトと音がする。騒々しい。「あれっ、舞台は終わったのに…」。これでは後ろ髪が引かれて帰るに帰れない▼会期末を18日に控える国会は16日、事実上閉幕した。国民の多くは消化不良のままで納得できないのではないか。本編の肝である「共謀罪」法の審議は議論不足の印象を拭えず、その一方で「加計(かけ)学園」絡みの文書調査が新たな疑念を生んでいる。さらに12の省庁で天下り違反の疑い事例が27件あったという▼いずれも楽屋話で済まされる問題ではない。まず加計文書。内閣府が獣医学部新設の条件で文部科学省へ送った「広域的に存在しない地域に限る」というメールは、内閣府の担当外の職員が事実関係を確認せず伝聞を記したらしい。国の行政はその程度で動くのか▼天下り問題は調査元の内閣人事局が関係省庁名の公表を「まだ疑いの段階」として拒んだ。組織ぐるみだった文科省だけが悪者であったかのよう。調査結果の発表も「共謀罪」法の成立直後でドタバタした中だった▼そう言えば舞台劇には「幕あい」がある。大勢の観客は「ところで黒幕は一体誰なんだ?」と首をかしげている。「続きをぜひ」。この声、楽屋に届いているかどうか。(2017.6.17)