「たばこをやめてほしい」-。子どもにそう頼まれたら、親はさすがに禁煙に努めるらしい。東松島市大曲小学校で児童が親に禁煙を勧めたら、うち2割の親が喫煙をやめたという。自ら禁煙を決意した人の成功率は5%というから、率はかなり高い▼石巻市の石巻赤十字病院の矢内勝副院長から聞いた話である。同病院は「防煙教育」に力を入れる。小中高校でたばこの害を教え、将来たばこを吸わないよう説いている。子どもに限らず、大曲小のように親への効果も出ている▼「授業では喫煙者を悪者にしない」と矢内副院長は語る。父母や祖父母の世代はニコチン依存症などの情報を知らず、知らぬ間に依存症になった人が多い。「被害者だ」と伝えている▼他人のたばこの煙を吸わされる受動喫煙を巡り、厚生労働省が提案した飲食店の原則禁煙に自民党が激しく反対。対策を強化する健康増進法改正案は18日閉会した国会に提出されなかった。喫煙者が広げる被害には、やはり規制が必要ではないか▼飲食店での禁煙は今や、世界の趨勢(すうせい)だ。自民党は「2020年の東京五輪・パラリンピックに向けて」と「共謀罪」法を強引に成立させたのに、同じ理由で規制を図る飲食店禁煙には腰が引けている。自民党議員にこそ、防煙教育が必要なようだ。(2017.6.19)