かつて仙台市北西部の団地にスポーツで将来有望な少年少女がいた。通う学校こそ違え同学年。今、共に28歳になる。テニスの杉田祐一(三菱電機)、卓球の福原愛(ANA)の両選手である▼2人の歩みは相似形と言える。「勝ちたい」という一心からより高い指導を求めて古里を離れる。福原選手は吉成小4年で大阪へ、杉田選手は長命ケ丘中1年で千葉県柏市へ。やがて2人はプロ契約選手のまま早大のトップアスリート入試で合格し同級生となる▼いずれもその後の活躍は目覚ましい。ただ、もしも違いがあるとすれば、それは「世界」の一流に躍り出る時期だったかもしれない。前を行く早熟の少女があまりにも駆け足だったと言えなくもないが…▼大学で机を並べてから苦節10年。杉田選手がようやく同級生に肩を並べた。世界最高峰のツアー大会制覇。日本男子3人目の快挙である。「(錦織)圭が独走中だが、追い掛けたいという気持ちが強かった」と、現在目標とする背中の主の名を挙げながら我慢の日々を振り返った▼ウィンブルドン選手権には日本人歴代2位の世界ランキング44位で臨む。四大大会5度目の本戦での初勝利に向け、「ここまでの経緯を考えれば、まだまだ上にいける」と抱負を述べる。努力の人の底力は計り知れない。(2017.7.4)