大相撲の横綱稀勢の里関(31)は少年時代から運動神経が優れ、地域で一目も二目も置かれる存在だった。特に野球が好きで中学ではエースで4番。身長は既に180センチ近くあり、肩、バットスイングとも群を抜いていた▼この類いまれなる男を、隣町の茨城県藤代町(現取手市)で羨望(せんぼう)のまなざしで見ていた野球少年がいる。同学年で実際に地区大会で対決。「すごかった。それが『オレ、中学卒業したら相撲に進む』と言って、今、天下の横綱。かなわないよ」▼こう語って、かつてのライバルを持ち上げたのはプロ野球東北楽天の美馬学(みままなぶ)投手(30)。言葉の端々に自身の地道な歩みがダブっているのであろう。過去6シーズンで2桁勝利はなく、毎年そこそこの勝ち星。周囲から「派手さがない」との声も漏れる▼しかし、今、大舞台を待つ。14、15の両日行われる「マイナビオールスターゲーム2017」。プロ7年目の初出場である。169センチと小柄ながら、150キロ前後の速球と変化球を出し入れする投球は玄人好みの深みがある▼球宴初戦は会場がナゴヤドーム。同じ街では本場所が行われている。「美馬、ここは頼む!!」と、試合のどこかの場面で監督から「呼び出し」が掛かるかもしれない。夕方と夜、脚光を浴びる男2人。何か縁がある。(2017.7.12)