慶長遣欧使節船が石巻市月浦から出帆したのは1613(慶長18)年。乗り組んだ仙台藩士、支倉常長が帰国したのは7年後で禁教令が敷かれていた。スペインとの通商交渉が実現しなかったとはいえ、自身の見聞は水の泡。歳月の流れをさぞ恨んだろう▼先を読むのは難しい。例えばプロ野球だってそうだ。東北楽天が今季優勝するか? 分からない。その球団を日本一に導いた田中将大投手がドラフト指名を受けた2006年秋、誰がその後メジャーのヤンキースで活躍すると予想したか▼国際オリンピック委員会(IOC)は11年先を見通すらしい。24年と28年の夏季五輪開催都市に、24年大会の招致に立候補したパリとロサンゼルスを振り分ける。来月にも3者で合意するが、内部からは「国際情勢は変わる。五輪が開催できない状況になったらどうするのか」との声が漏れる▼五輪憲章は原則7年前に開催都市を決めるとうたう。招致都市を募りもしないで開催地を決めていいものか。巨額の財政負担を敬遠し五輪離れが深刻化する中での荒技は「ウルトラZ」級だ▼ここは一つ、漫画のドラえもんに助けを請う。「タイムマシン」で未来へ。相次ぐテロ、経済情勢、地球環境…。荒波にもまれて、浮き沈みする五輪の姿が透けて見えてくる。(2017.7.14)