まどみちおさんの詩『ジェット・コースター』は、緊張と高揚の心理描写で始まる。<みんな びくびく/びくびく びくびく/コースターが のぼる>。「みんな」は家族か、同級生か。あるいは「2人」とも読み替えられよう▼来年、開園50周年を迎える仙台市の遊園地「八木山ベニーランド」が、同園に関する「想(おも)い出」を募集している。50の物語を選び、それに合う画像やイラストを添え記念書籍として発行するという。募集は来月末まで。ホームページからか専用用紙で▼園長の八木充幸さん(63)の胸に最も深く刻まれているのは、2011年の東日本大震災だ。施設の被害はそれほどでもなかったが、修学旅行の予約が次々とキャンセルされる様に、がくぜんとした。この年は結局500件超がキャンセル。「社会が平穏でないと遊園地は成り立たない」。遊は余裕、ゆとりある心に通じていた▼まどさんの詩は続く。<くだって のぼって またくだり/たんたん たんたん/ぜんそくりょく>▼仙台市の未来も決して平たんではあるまい。でも、家族が思い出を積み重ね、同級生にいじめがなく、若い2人が待機児童の心配なしに暮らせる街であってほしい。きのう決まった新市長さんにお願いしておく。びくびくせず、最初から全速力で。(2017・7・24)