江戸幕府の8代将軍徳川吉宗は時に、貧乏旗本に扮(ふん)し世にはびこる悪を斬った。町火消しの仲間たちは正体を知らない。が、側用人の「爺(じい)」らは吉宗の「公務外」をしっかり把握。テレビ朝日系列の番組『暴れん坊将軍』が懐かしい▼旧秋田藩の角館を治めた佐竹北家21代当主の佐竹敬久秋田県知事(69)は、わが身を成敗するしかない。公務外での失態である。22日午前8時半ごろ県内に大雨警報が発令。この朝に友人と車で宮城県加美町へゴルフに出掛け、飲酒して泊まった。被害が広がり、23日午前11時から県庁であった会議に出席できなかった▼緊急時の連絡態勢を聞いてあきれた。知事は県外に出ることを部下に伝えていなかった。「極めて軽率で配慮に欠いた」と謝り、事務方は行き先が分からないままメールを打つしかなかった▼きのう、そこへ新たなお粗末ぶりが発覚。ゴルフを共にした「友人」とは県の産業労働部長と観光文化スポーツ部長、さらに県OB4人だった。このご一行、22日夕に被害を伝えるテレビニュースをどんな気持ちで見ていたのだろうか▼「竿燈まつりや大曲の花火も近い。スイングして球を打っている場合じゃありませんぞ」。「爺」なら臣下の忠言をしたに違いない。今は「辞意」の2文字が頭にかすんだりして。(2017.7.27)