濃厚なうま味と磯の香りが口の中に広がった。相馬市の相馬双葉漁協で7月末にあった6次化商品の試食会。浜のお母さん方や若手漁師たちが地元で水揚げされる海産物で作った加工品4点がお披露目された。大手飲料メーカーの支援を受けて開発した▼女性部のメンバーは「まるがに」と地元で呼ぶヒラツメガニのかにみそを瓶詰めにした。殻ごとぶつ切りにして炒めるのが相馬流。殻の硬い部分が口に残ってしまうのが商品化のネックになった。「殻が入っていなければうちらの味じゃない」。試行錯誤の末に、殻をすりつぶして混ぜ込むレシピにたどり着いた▼相馬の浜では、男たちが漁に出て取った魚介類を仕分け、競りにかけるのは女性の役割だった。東京電力福島第1原発事故で操業自粛や漁獲制限を強いられ、女性らが活躍する場もめっきり減った▼女性部長の佐藤靖子さん(65)は「市場で顔を合わせる機会が減る中で、一緒になって目標に向かう貴重な機会になった」と振り返った。ナマコとホッキ、イナダを素材にした瓶詰め商品と共に、秋ごろから地元を中心に少しずつ販路を広げる▼外部に委託している製造を、将来的に自前の加工場で手がける構想も温める。今もやまない風評被害。浜のかあちゃんの団結力で逆風をはね返す。(2017.8.7)