動画投稿サイト「ユーチューブ」における「ピコ太郎」の楽曲『ペンパイナッポーアッポーペン(PPAP)』は計算し尽くされた演出で人気を博した。ヒョウ柄衣装、パンチパーマ、小学生でも分かる簡単な詞。再生回数2億突破はだてではない▼プロデュースした青森市出身のお笑い芸人、古坂大魔王(こさかだいまおう)さん(44)は振り返る。「(制作は)歌の最初のフレーズだけで何年もかかっている。意味のないもの見てキャーキャー笑ってるってすごいハッピー」。テレビの対談番組で語っていた▼入念な準備、奇抜さ、幅広い層の支持、明るさ…。ネットを使う宣伝は何とも難しい。7月5日公開の仙台・宮城観光キャンペーンの動画は再生回数が300万を超えながらも、「性的表現が不快」との批判もあった。結局、制作担当の宮城県は26日のイベントを区切りに配信をやめる▼県民が得たもの、失ったものは何だろう。「しゃれの分かる宮城」と思った人がいれば、女性を中心に幻滅感を抱いた人もいたに違いない。ただ、古坂さん風に言うなら、みんなが「ハッピー」となる内容ではなかった▼観光キャンペーンのテーマは「涼(りょう)・宮城(ぐうじょう)の夏」。お日様に見放された8月、県民は何度恨めしく空を見上げたことか。動画をやめるにはいい潮時だったかもしれない。(2017.8.22)