宮城県沿岸部で開催された自転車イベント「ツール・ド・東北2017」にちなみ、石巻市にある「石巻復興きずな新聞舎」の岩元暁子代表(34)の話題が先日、本紙に載っていた。東日本大震災後、石巻に移住した「よそ者」の視点で参加者に復興や地域の魅力を伝えるとあった▼記事を読み、「風の人、土の人」という言葉を思い出した。彼女が以前、被災者向けに発行する情報紙「きずな新聞」で決意を書いている。<私は「風の人」として、石巻で暮らす「土の人」たちと共に、新聞という手紙を書き続けていくつもりだ>▼外からやって来て情報の媒介者となり、地域に風を起こす「風の人」、そして土地に根付く「土の人」。地域活動ではその両方が必要だ、と岩元さんは記す。合わせると「風土」になる▼岩元さんに限らない。震災後に石巻に移り住んだ人々の活動が最近、目を引く。空き家をシェアハウスとして提供する女性、漁業者を育成する人、被災者を撮影し続ける写真家、IT起業者…▼地域を元気にするのは「よそ者、若者、ばか者」と言われる。外からの視点、行動力、既成概念にとらわれない発想力と情熱。その3要素を備えた移住者もいる。受け入れる「土の人」の温かさもある。最大被災地の石巻に新しい風が吹いている。(2017.9.19)