携帯電話のアラーム音に起こされた。きのう朝5時22分、画面に「青森東方沖で地震発生」。身構えたが、仙台圏での揺れは遅く弱かった。気象庁の緊急地震速報は運用から10年、日常の助けになった▼観測網と放送、通信端末を結ぶ速報は世界初だったが、「予知」はいまだ難しい。「現在の科学の実力では、3日後に確実に地震が起きると言えない」と中央防災会議の平田直東大教授。予知を前提に39年も続けた「東海地震」の防災対策を見直すよう国に報告した▼大地震が懸念される静岡県内外に、地殻のひずみを観測する機器を網羅し予知を目指したが、限界に突き当たっていた。今後は巨大地震帯とされる同県沖から九州沖の南海トラフ(海溝)沿岸で「異常現象」を捉え、防災情報を地元に出すという▼報告書で異常現象に挙げられたのが地震の連鎖。この沿岸で過去、32時間~2年の間隔で大地震が続いた例がある。が、どの時点でどんな情報を住民に出すか、計画立案は白紙だ。「大地震から5分で津波が来ると言われているのに、どう避難する」と静岡の知人▼思い起こすのが、東日本大震災の2日前にもあった大きな地震と津波。報告書では異常現象に例示されたが、今更の感がある。あの時こそ専門家が警告を発してくれていれば、と。(2017.9.28)