作家の村上春樹さんは、若葉ドライバー時代の大半をローマで送った。かの地で初心者が車を運転するのは「命の縮むようなこと」らしい。道は入り組み一方通行だらけ。市民の運転は攻撃的で、もたもたするとクラクションを鳴らされたり、ののしられたり(『村上ラヂオ2』)▼日本人はもう少し優しいと信じたいが、外国人が異国でハンドルを握る心細さは共通だろう。沖縄県レンタカー協会は「外国の方が運転しています」と記したマグネットステッカーを作り配慮を促している▼沖縄で外国人旅行者がレンタカーを借り事故を起こした確率は4.6%(2016年度)。日本人の約3倍という。ステッカー導入から2年。協会は「道や日本の交通ルールに不案内な外国人を見守る気持ちが浸透した」と説く。同じ試みは北海道でも▼宮城県レンタカー協会専務理事の上床隆澄さんは「東北でも取り入れたい」との意向だ。協会は4~7月、運転を支援する多言語対応タブレットを実験的に貸し出した。観光案内のほか、コインパーキングの使い方、給油の仕方(ガソリンと軽油の区別も)の説明が好評とか。東北でステッカーが普及し、それを付けた車を見掛けたら手助けできる。「おもてなしにつながる」と上床さん。機運の高まりを待つ。
(2017.10.1)