SOSが何度も発せられていた。「宿題未提出の理由を言い訳だと聞いてくれない」「僕だけ強く怒られる」「どうしていいか分からない」。福井県池田町で3月、中学2年生が自殺したニュース。町教委は先日、教師に追い詰められての死と結論づけた▼調査報告書によると、担任らに繰り返し怒鳴られ、土下座しようとし、過呼吸も起こすなど絶望的な毎日だった。頑張る子だったのか。親に泣いて登校を3度渋ったが、学校に通った。家族は心配し「自殺にならぬよう」学校に求めたが、無策だった▼学校の責任は重いが、他者の身ながら中学生をゆっくり休ませたかった。「学校がすべてじゃない」と。かつて身内の子が不登校になり、できたのは一緒にいて、自ら変われるチャンスをあげること。フリースクールを探し、親も教え、やっと高校でいい恩師に出会えた▼今年、不登校対策の教育機会確保法が施行された。不登校は全国に13万人近く。「学校に帰す」やり方の限界から、国は「休んでいい」「学校以外の場所も大事」と認めた。が、受け皿を担うフリースクールへ公的支援はない。「不登校を助長する」との反対論で▼多くは経営が厳しいと聞くが、衆院選では教育無償化論議の陰に埋もれる。子どもたち本位の選択肢を広げたい。(2017.10.20)