気仙沼市産業まつりが先週あった。一角に置かれた直径2メートルの大鍋からは湯気が立ち上り、食欲をそそる香りが…。目玉行事として昨年から来場者に無料で振る舞っている「メカジキ鍋」だ▼気仙沼港の水揚げ量は生鮮で全国の7割を占め断然トップ。通年水揚げがある上に、煮ても焼いても、刺し身でもおいしい。だが、市民にはあまりにも身近すぎたためか、全国への積極的なアピールがされてこなかった▼日本一は、フカヒレや生鮮カツオだけではない。消費拡大を訴え地域活性化につなげようと、気仙沼商工会議所は2015年にブランド化推進委員会を設立。以来、水産や流通、観光関係など市を挙げてPRに取り組んでいる▼「これまで光を浴びてこなかった食材を味わいに、気仙沼へ足を運んでほしい」と、商議所の小野寺秀和さんは話す。しゃぶしゃぶ、すき焼きなどメニュー開発も進む。市内12店では12月25日まで、メカジキグッズがもらえるカレーのスタンプラリーを開催中だ▼地元ではかつて、家庭や学校給食などで、肉の代わりにメカジキを使ったカレーが食べられてきたとか。年配者には懐かしく、若者には新鮮に映る。地域に埋もれた素晴らしい宝は、食に限らず東北各地にまだまだあるはず。みんなで見回してみよう。(2017.10.29)