「集落に居座るトンパック(除染土の袋)の山を見る度、がっかりする」「仮置き場の脇でコメを作る気になれない」「放射線が出ているかと思うと心配」。東京電力福島第1原発事故の被災地、福島県浜通りの町村で聞く住民の声だ▼避難対象地の約7割が今春まで除染を経て避難指示を解除された。現地で目立つのが除染土の仮置き場。環境省は約1トン分の保管袋に詰め、農地などを借り山積みしている▼安全に管理されているが、飯舘村で約230万トンに上る。帰還したある農家は「復興の一番の妨げだ」と嘆く。住民が気付かぬ量ながら、除染土の村外搬出は始まっており、本年度の計画は約2万2千トン。村から消えるまで100年以上かかる計算だ▼悠長さの原因が、同省が搬出・保管先として大熊、双葉両町の原発近くに建設中の中間貯蔵施設の完成遅れ。用地確保がまだ4割で、貯蔵可能になった一部が28日に稼働し始めた。ただし、やはり将来の復興を妨げる、とする両町に「30年以内」の撤去を約束している▼同県内から集まる約2200万立方メートルを貯蔵し、撤去後は国の責任で「県外で最終処分」するという。が、東京ドーム18個分の巨大さ。「中間」のはずが、いつしか「最終」にされ、被災地の住民の嘆きが30年後も続くのでは困る。(2017.10.31)