トランプ米大統領が埼玉県内のゴルフ場でプレーするのをテレビで見ていたら、芝生の「先客」である小鳥数羽が驚いて飛んでいったのを目にした。どうってことない光景ながら、その数時間後入ってきたニュースに接すると少々不安になった▼「米商務長官に新ロシア疑惑」「米教会で銃乱射、多数死亡」。日本、韓国、中国とアジア歴訪を始めた直後である。ふと<足元から鳥が立つ>のことわざを思い出した。急に米国内が慌ただしくなり、大統領も心穏やかでないだろう▼気が気でないのは安倍晋三首相も同じだったに違いない。今回の来日は首脳同士の親密度を深める絶好機。もしも相手が気もそぞろであっては成果はなかなか得られない。きのうの首脳会談、日本側が期待したように突っ込んだやりとりができたことを祈る▼大統領はきょう韓国へ向かう。そこではなむけの言葉を送ろう。<千里の行も足元に始まる>と老子が言っている。長旅もその第一歩が肝心であるという。再確認した「日米同盟の絆」を土台に東アジア情勢を考えていってほしい▼一方、安倍首相は今後、自分の足元を気にした方がいいのではないか。特別国会で追及される「森友・加計(かけ)問題」は説明責任が求められる。鳥が飛び立ったことも気付かないようでは困る。(2017.11.7)