宮城、山形両県を結ぶJR陸羽東線(小牛田-新庄)が全線開通から100年を迎えた。列車は松尾芭蕉が歩いた旧出羽街道と並行して走る。このローカル線は近年、山形新幹線の開業によって新たな価値が加わった▼1992年ミニ新幹線方式で福島-山形間で開業し7年後には新庄まで延長。バブル経済が終わってからの時代、沿線住民はミニとはいえ高速鉄道をテコにこつこつと地域経済の活性化に努めた。その結果、接続する陸羽東線は宮城への回遊性の側面を一層強めて今日に至る▼日経平均株価が92年1月以来の高値を付けた、との記事をきのう読んだ。およそ四半世紀。昔ながらの発想に縛られて消えていった企業や人がいた。一方、ミニ新幹線で新時代を切り開いたやり方は企業経営のヒントにならないか▼株の時価総額上位銘柄をみると、独自技術に強みを持つ電機大手が名前を連ねている。株価の先行きに関し、あるエコノミストは「企業が未来に生き残るには他人のまねでなく創意工夫が必要。投資家は注目している」と指摘。独自性は「買い」である▼<草枕夢路かさねて最上川ゆくへもしらず秋立ちにけり>。正岡子規が芭蕉の跡を追い新庄で詠んだという。あこがれ続けた俳聖の面影はそこにはなく、膨らむ夢ははかなく消えた。(2017.11.9)