上山市狸森(むじなもり)地区。山あいにある旧山元中の跡地に石碑が立つ。「きかんしゃの子どもはいつも力を合わせていこう」。1950年代に同校で生活つづり方教育を実践した無着成恭さん(90)=大分県在住=が碑文を刻んだ▼「きかんしゃ」は当時指導した学級文集の名。後に『山びこ学校』と改題され、本になった。学びとは何か、人の値打ちとは何か、古里とは何か。こう問い掛けながら読むと、行間にその手掛かりを見いだせそうな感じになる▼経済協力開発機構(OECD)が、チームの一員として問題を解決する15歳の力を測ろうと世界中でテストを実施したら、日本は好成績だった。52カ国・地域のうち2位、OECD加盟32カ国でトップ。各自が車輪の一つであることを自覚し課題に挑む。「和」を重んじた無着先生もちょっと鼻高々かもしれない▼でも、どうなんだろう。ある教育専門家は「日本の成績は学校で集団的作業や対話的な学習を進めてきた結果ではないか」と授業の成果とみる。人種や民族が多様になったとき、引っ込み思案にならないかどうか心配である▼旧山元中の碑は実は文が続く。「なんでもなぜ?と考える人になろう いつでももっといい方法がないか探そう」。主体性や積極性も大切に。耳を澄ませば山びこが聞こえる。(2017.11.23)