「唐桑の海に生きる」と題されたパンフレットを目にした。昇る太陽が空と水面(みなも)をオレンジ色に染め上げていく表紙に引かれて手に取った。裏表紙を見ると、気仙沼市唐桑中3年生が制作したことが載っていた▼養殖カキに付着し厄介者扱いされてきたアカザラガイを使ったレシピの紹介や、観光マップなど楽しい誌面が広がる。メインはインタビューだ。カキ養殖家やメカジキ漁師ら海の男3人から、水産業の苦労とやりがいを聞き出している▼3年生41人は「人が行き交い、活気があふれ、地域が元気な海のまち唐桑にしたい」という願いの下で、総合的な学習の時間に4班に分かれて活動。「漁業」班の7人が中心になり取材、他の班の成果も生かし編集した▼指導した熊谷岳哉教務主任は「身近なのに知らなかった海を理解し、そこに生きる人々の思いを聞くことができた」と生徒の成長を実感する。500部を教育関係や取材協力者らに配布したほか、300部を増刷し公民館などに置く予定だ▼小野寺昭人教頭は「子どもたちが水産業を志すかどうかは分からないが、素晴らしい仕事と理解したのでは」。古里に生まれた誇りを感じてもらうためにも、パンフレット制作を続けたいと話す。「今度は『海の女』特集を、という声もあるんです」(2017.11.26)