北海道新幹線に乗って北へ旅をしたのが今夏。そんな私的感慨はあるが、年末恒例の「今年の漢字」(日本漢字能力検定協会)の投票で「北」が1位になった。北朝鮮のミサイル実験に国中が騒がされた不安が理由という▼「もううんざり」「無理に選ばなくても」との反応を周囲で聞く。北海道日本ハムファイターズの大谷翔平選手(岩手・花巻東高出)らの話題、北海道産ジャガイモ不作とポテトチップス品薄も理由にあったそうで▼一東北人として選ぶなら「未」。東日本大震災から7年目でも「未(いま)だ復興せず」の現実ゆえ。南の被災地では今春、東京電力福島第1原発周辺の町村で避難指示が解除されたが、帰還した住民はわずか。廃炉への道は見えず、風評の壁で生業復活も遠い▼宮城、岩手の津波被災地では高台などの災害公営住宅の建設が進んだが、人の流出は止まらず、新しい街づくりも遅れる。頼みの水産加工業は市場を回復せぬまま、イカ、サンマ、秋サケの深刻な不漁に追い打ちを掛けられた▼「今年の漢字」の2位は政治の「政」という。森友、加計(かけ)学園の問題が理由にあるが、安倍晋三首相が1字選ぶならどうだろうか。苦しい政局で仕掛けた解散総選挙が、野党の離合集散に助けられて圧勝し、胸をなで下ろしたであろう「運」か。(2017.12.14)