幼い頃、虫歯がひどいときには頬を、腹が痛くなればおなかを、頭痛では額やこめかみを、母はしばらく手で触ってくれた。気のせいか、痛みがスーッと和らいでいった▼「手当て」という言葉は実はドイツ語にもある。ベハンドゥルング。真ん中に英語のハンドが隠れている。やはり医学用語として使われ、触手は患者を安心させる有効な方法として認められているらしい▼沖縄は今、満身創痍(そうい)である。手当ては十分でないのに、またも米軍から傷を負わされた。13日、宜野湾市普天間第二小の運動場に、隣接する基地を離陸した大型ヘリから窓が枠ごと落ちた。当時授業中だった約60人の児童を直撃こそしなかったが、きのう2年生の児童1人は「怖い」と訴えて欠席した▼ちょうど13日はオスプレイが名護市沿岸部で不時着、大破した事故から1年だった。米軍ヘリはその後も東村の牧草地で炎上。「何十回、何百回言っても解決しない」(翁長雄志知事)との嘆きの裏には、米軍の特権的地位を定めた日米地位協定にメスを入れられないいら立ちがのぞく。事故原因の究明になかなか深く関われない▼地域で度重なるニュースはどこか「東日本大震災」に重なる。苦境、復興、防災…、何とか全国に届いてほしい。心のこもった手は誰もが持つ。(2017.12.15)