雷には夏のイメージがある。歳時記でも夏の季語だ。もっとも、日本海側は冬の方が多い。大陸からの冷たい季節風によって洋上に発生した雲が日本海を横断する際、暖流との温度差で水蒸気を含み、雷雲を形成するからだ▼冬の秋田県を代表する味覚の一つで県の魚でもあるハタハタは、雷が鳴るころになると産卵のために浅い岩場までやって来る。漢字で「〓」と書くのも、昔の人が雷との関係に思いを巡らした故だろう▼1963年から13年連続で1万トン以上あった県内の漁獲量は乱獲などにより激減。91年には70トンにまで落ち込んだ。浜の漁師たちは92年9月から3年間、全面禁漁に踏み切った。解禁後は資源保護のため、毎年漁獲枠を設けている▼2004年に3258トンまで回復した漁獲量は減少傾向にあり、今季の漁獲枠は720トン。98年の600トンに次ぐ低い水準となった。そこで、県や県漁協などは、漁獲枠に代わる規制策として、操業日数の制限を検討。男鹿市北浦漁港で試験的に導入した▼飯(い)ずし、しょっつる鍋、ブリコ(卵)の入った塩焼きなど秋田の食生活を支えてきたが、食材の多様化もあって消費は頭打ちだ。とはいえ、やはり冬の食卓には欠かせない。食文化の未来にも関わる資源をどう維持していくのか、模索は続く。(2017.12.24) 


(注)「〓」は魚ヘンに雷