東日本大震災で深刻な被害があった気仙沼市中心部の内湾地区。いまだに更地の場所や、津波の傷痕を残す建築、あるいは逆に再建された真新しい建物などが目立つ。そんな中にも所々、趣のある商家を見つけては港町として栄えた歴史を体感し、ほっとする▼今月17日、地区に残る国登録文化財の六つの建物を巡るイベントがあった。いずれも被災し海外の財団の支援を受けるなど再建・修復作業に入り、そのうち3棟で完了している。造り酒屋や陶器店、魚問屋などを回り、クイズを交えて学んだ▼修復中の1軒である米穀店では親子土壁塗り体験会も開催。「安波山の裾野に広がった気仙沼の街は、変形の敷地に建てられた建築が多い」などと説明を聞いた。参加した同市九条小4年の吉田菜穂子さんは「こてを使ってうまく塗れたよ」と笑った▼企画したのは市民や建築家、被災建築所有者らが震災後に結成した「気仙沼風待ち復興検討会」。菅原千栄会長は「建物を通じて、今も息づく地域の成り立ちを伝え、にぎわいを取り戻したい」と力を込める▼会員たちは内湾地区自体を一つの文化財「風待ち復興ミュージアム」として、観光客や市民に楽しんでもらいたいと夢見る。修復完了には、まだまだ支援が必要とか。ぜひ、あなたも協力を。(2017.12.29)