いわき市の水族館アクアマリンふくしまで毎月第3日曜に開かれるイベント「調(た)べラボ」。東京電力福島第1原発周辺などで釣った魚をさばき放射性物質を測る。安全性が確認された魚介類を調理して振る舞う。原発事故で傷ついた福島の海に理解を深めてもらうのが狙い▼2015年4月以降、福島県沖の魚介類から政府の基準値を超える放射性物質は出ていない。そもそも基準値は諸外国より大幅に厳しく設定されている。それでもなお、風評被害の荒波は収まらず、沿岸では出漁を制限する試験操業が続く▼17年の漁獲量は事故前の10分の1ほど。本格操業再開は見通せず、漁師たちは減収分を賠償金で埋めている。「安全性だけでなく、おいしさや地域ならではの食べ方を発信するのが大事」。調べラボに携わる小松理虔(りけん)さん(38)は話す▼相馬市の松川浦漁港に水揚げされたヒラメを輸出する計画が進んでいる。市場関係者は2月下旬~3月上旬、タイ・バンコクに向けた第1便の出荷を目指す。実現すれば原発事故後、福島の魚介類を海外に売り込む初の取り組みとなる▼福島産のヒラメは全国有数の水揚げを誇り、身の締まった「常磐もの」として高く評価されてきた。福島の海を代表する高級魚の輸出は、浜の復権に向けた一歩となる。(2018.1.9)