体力に不安を覚え、仙台近郊のプールに通い始めた。水中歩行をする年配者が大勢おり、話を聞くと、「足腰を痛めたのがきっかけ」「介護の世話にならぬよう丈夫でいないと」。誰もがさまざまな形で「老い」に目覚め、自分もある日、仲間入りしていたと気付く▼日本の高齢化は進み、団塊世代の人々が7年後には75歳以上に。さらに団塊ジュニア世代が高齢者に加わる2040年には、全世帯の4割が1人暮らしの社会になる-。国立社会保障・人口問題研究所が発表した将来推計だ▼晩婚化に加え、未婚の人や離婚も増えるためというが、1人暮らし世帯の約半数を高齢者が占めると予測される。晩婚化の割合は男性の方が高く、推計からは、地域との縁も薄い男性ゆえの老後の孤立が浮かぶ▼仕事や十分な収入がなく、家族の支えや日頃の隣人との交流もない高齢者が、もし健康を害すれば命に関わりかねない。孤独死の問題だ。そうした状況が先行して起きているのが東日本大震災の被災地▼40年の日本の推定高齢化率は36.2%。被災3県の災害公営住宅の入居者の高齢化率が偶然にほぼ同じで、1人暮らしの高齢者の割合も約25%と高い。被災地での人のつながり、生きがいをどう再生するか。その方策が未来の高齢化社会にもつながっている。(2018.1.16)