福島市が高校生の長女の給付型奨学金を収入と認定し、生活保護費を減額する処分を出したのは違法だとして、市内の30代の母親と10代の長女が市に計100万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、福島地裁は16日、手続きの違法性と処分による精神的損害を認め、計10万円の支払いを市に命じた。
 判決は「(減額で)最低限度の生活が困難になると想定できた」と指摘。金沢秀樹裁判長は「奨学金が収入認定の除外対象になるかどうかの検討を怠った。市の対応は公務員の裁量権を逸脱し違法だ」と述べた。
 長女の高校就学継続に対する母親の不安を「相当程度に深刻」と認定。長女の精神的損害も「奨学金獲得の努力を否定されたとも受け取れる」などと認めた。
 奨学金が収入認定の対象内かどうかは「除外されるべきだと言えない」と判断し、手続きを問題視した。
 判決によると、長女は2014年4月、高校に進学。市は受給した2カ月間の奨学金計9万円の全額を収入と認定し、生活保護費から同額を減額した。
 記者会見した母親は「思いが伝わった。全ての子どもたちが環境に左右されずに教育を受け、夢や希望を育める支援態勢を整えてほしい」と市に求めた。
 木幡浩福島市長は「(処分は)生活保護の目的への配慮に欠けていた。判決内容を精査し、今後の対応を決める」と談話を出した。
 市の処分に対しては女性が再審査を請求し、国が15年8月、処分を取り消す裁決を出している。