スクリャービンのピアノ練習曲12番は、和音の連打が美しい曲だ。フィギュアスケートの羽生結弦選手(仙台市出身)が、2011~12年シーズンのショートプログラム(SP)で使っている。自叙伝『蒼(あお)い炎』の表紙を飾るブルーの衣装と合わせ、ファンには印象深い▼仙台市地下鉄仙台駅のBGMでこの曲を耳にした時は、聞き入ってしまった。昨年3月のことだ。どんな基準で選んでいるのだろう。市交通局に聞いた▼駅務サービス課の永広峰之(えひろたかゆき)さん(37)によると、選曲は業者に委託し2カ月に一度、更新している。「朝は爽やか、昼は明るく軽快、夜は静かで落ち着いた曲をお願いしています」。心地よい空間の演出や工事音を軽減する意味がある。駅でのBGMは全国でも珍しいという▼幅広い音楽ジャンルの中で、ピアノ曲は「市民から肯定的な意見が多い」。従って採用の確率が高い。ならば羽生選手の現在のSP曲、ショパンのバラード1番はいかが▼「平昌五輪も近いし、応援する意味でも検討してみましょう」と課長の村上真さん(56)。昨年11月に東西線国際センター駅などで開かれた羽生選手の「写真とポスター展」には、中国からも含め17日間で2万6700人が訪れたとか。次は「羽生色」のショパンで、地下鉄に新たな魅力を。(2018.1.29)