米国の社会福祉活動家の故ヘレン・ケラー、歌手スティービー・ワンダー、フランスの俳優アラン・ドロン。3氏には共通点がある。秋田犬を飼い、大切なパートナーにしたことだ▼平昌冬季五輪のフィギュアスケート女子で金メダルを獲得したロシアのアリーナ・ザギトワ選手(15)も仲間になれるだろうか。本人の要望を受けて、日本から雌の子犬が贈られることになった▼既に「マサル」と名付けたとか。完成された氷上の演技とは違い、少女らしさがうかがえてほほえましい。ただ、大型犬で、朝夕の散歩は欠かせない。モスクワのアパートで祖母と2人暮らしだそうで、十分な世話ができるのか、少し心配だ▼秋田県北が発祥とされる秋田犬は、「忠犬ハチ公」に代表されるように飼い主に忠実。一度飼ったら他の犬は飼えないと言われ、海外の人気も高い。だが、今に至る道のりは平たんではなかった。品種改良や戦中と戦後の食糧難などで純血系の犬が激減した時期もあった▼危機を乗り越えられたのは、1927年設立の秋田犬保存会(大館市)をはじめとする愛犬家の地道な活動のおかげ。ザギトワ選手には、そうした歴史も知ってほしい。「飼う前に秋田へ来て、触れて、情報を手に入れては」と勧めるのは佐竹敬久知事。ぜひ一考を。(2018.3.19)