アイフォーンのゲームアプリ「hinadan」は、ひな壇に男びなや女びな、三人官女、五人ばやしを並べるゲームだ。正しい配置で置くとポンと鼓が鳴り、間違えるとブーと音が出る▼開発したのは神奈川県藤沢市の若宮正子さん。81歳だった昨年2月、ソフト配信サイトで無料公開すると「世界最高齢のアプリ開発者」として評判を呼ぶ。米国のアップル本社に招かれてクック最高経営責任者(CEO)に会い、国連で基調講演をして一躍有名になった▼仙台市で先日、若宮さんの講演があった。「シニアが楽しめるゲームアプリは少ない。若者に勝てるゲームを作りたかった」「創造することこそ、人工知能ではできない最も人間的な活動です」。細身の体から意欲がほとばしる▼プログラミングの初心者の若宮さんには先生がいる。塩釜市のIT企業社長の小泉勝志郎さん(45)だ。知り合いの若宮さんにゲームアプリの制作を頼まれたが、逆に「自分で作ったら」と背中を押してデジタル技術を教えた。「スマホのユーザーとしてお年寄りの視点は重要」と小泉さん。高齢者プログラマーの育成を進める▼学びたいという情熱が湧いた時、それを実行するのに年齢は関係ない。「人生100年」と言われる時代だ。若宮さんに勇気をもらった。(2018.3.24)