上から降ってくるものには要注意だ。豪雨や大雪、スギ花粉や黄砂だけではない。国が旗振り役になった地方振興策もしかり。列島改造ブーム時代の大規模工業開発、バブル期のリゾート整備競争…。国策に踊らされた地方の側には実りない失敗が積み重なった▼今度はカジノをつくるという。「観光立国を目指す日本にとって起爆剤」と政府与党が実施法案を今国会へ提出する構えだ。ただのギャンブル場ではなくホテルや劇場、大型の商業・娯楽施設、国際会議場なども含めた構想▼米国の大歓楽地ラスベガスのイメージか。当面「国内で最大3カ所」の整備目標が固まり、2020年代半ばの実現を目指すそうだ。早くも北海道から九州まで自治体の誘致熱が高まる。が、そもそも、なぜカジノなのか▼記憶に生々しいのが16年暮れの国会。前段となる整備推進の法案を与党が短い審議で押し通した。観光客や税収の増加、地域への経済効果といった「成長戦略」が語られたが、先月の本紙に載った世論調査では「反対」が65%▼賭博解禁が社会にもたらす影響、依存症増加など弊害への懸念を多くの人が抱く。さらには、巨額であろう利権を手にするカジノ運営業者をどう選ぶのか? 本当に地方のために役立つのか? 素朴な疑問に答えてほしい。(2018.4.5)