学生時代、ミステリー小説に夢中になった時期がある。『モルグ街の殺人事件』や『オリエント急行殺人事件』…。名作を初めて読んだ時の興奮は忘れられない。誰が犯人か。次の展開はどうなるのか。わくわくしながら読み進めた。結末が分かった瞬間、全ての疑問が解決。巧みなプロットに思わずうなった▼こちらはミステリーでも、もやもやばかりが募る。森友学園に関する文書改ざんや加計学園の獣医学部新設を巡る疑惑だ。問題が発覚してから1年以上経過しているのに、何の解決もしていない。面白みのない長編小説を読まされている気分だ▼自衛隊の日報問題も加え、これらの問題に共通するのは政府の「隠蔽(いんぺい)体質」。肝心な問題は「答弁を差し控えたい」「記憶の限りでは会ったことはない」などとあいまいにしつつも、官邸からの指示については明確に否定する▼石破茂元自民党幹事長は「真実は一つしかない。主張の正しさを証明する責任は政府側にある」と語った。中心人物が真実を語れば問題は一気に解決するのに、その気配はない。謎を永遠の謎にするつもりだろうか▼『モルグ街』のように人間以外の何かが関与するはずはない。“犯人”は1人か。それとも『オリエント急行』のように複数か。名探偵の知恵を借りたい。(2018.4.12)