「『特殊詐欺注意報』が発令されました」。仙台近郊の街の自宅でこんな町内放送を聞いた。宮城県内で「おれおれ詐欺」の電話があった-との通報が同じ市町村で2件以上あった日に、県警が地元に注意報を出す▼家族や役所、企業などを装う特殊詐欺は昨年、全国で約1万8千件。金融機関を避け、コンビニで電子マネーを送らせる手口が増えた。注意報も頻繁になっただましの犯罪が、ネットの世界で想像もつかぬ勢いで進化している▼8700万人。人気の交流サイト、フェイスブック(FB)の米本社が先日、個人情報が盗まれた可能性ある米国の利用者数を公表した。手口は、投稿された巧妙な仕掛けの性格診断テストという▼それを使った人と、サイトでつながる友人らの情報も流出させた。集めたのは英国のデータ分析会社。人工知能(AI)で個々の心理や志向を読み解き、昨年の米大統領選でトランプ陣営のために不正使用したと報じられた。10日にはFBの創業者が米議会に呼ばれ、悪用を防げぬ現状を陳謝した▼性格、日々の行動、家族、恋人や政党支持の有無も解析可能とされる。米検索大手ヤフーでは昨年30億件もの個人情報が流出し、日本でも事件が相次ぐ。盗まれた情報で自分が誰かに利用されている…。AI時代の闇だ。(2018.4.14)