東日本大震災の被災地、岩手県三陸を結ぶ3本の鉄道が、JR山田線の地元への移管と復旧を待って来年3月、第三セクター「リアス線」としてつながり全線再開する。復興へ朗報だが、大地震から2年を経た熊本県南阿蘇村にも列車を待ちわびる人々がいる▼「村の今を紹介しながら交流するバスツアーを企画しました」。村内を通る第三セクター南阿蘇鉄道の無人駅でカフェを営む久永操(そう)さん(37)から便りが届いた。1年前に訪ね、カフェのある長陽(ちょうよう)駅など震災で不通区間になった地域の現状を聴いた▼村では阿蘇山の大崩落現場が生々しいが、被災の傷はそれだけではない。久永さんの自宅近辺も危険区域となり、再建に多額の出費を要する。店や宿を失った主人らが多く、観光客を運ぶ列車も来ない▼「地震後1年を過ぎたら、そんな現実が報じられず、『復興したんでしょ』と言われる」。東北の被災地も経験した風化だ。21日に催すバスツアーは、被災した仲間たちが案内人となり、参加者に応援を呼び掛ける▼南阿蘇鉄道は4年後まで復旧-とのニュースが先日やっと流れた。「希望がわいた」と久永さん。力をくれるのが、東北から「熊本のために役立ちたくて」と訪れるボランティアや旅行者だという。「絆を深め復興の知恵を借りたい」(2018.4.19)