由利高原鉄道は秋田県南の海と山を結ぶローカル線。日本海に近い羽後本荘駅から鳥海山麓の矢島駅まで23キロを走る。同鉄道社長の春田啓郎さん(66)には「ローカル線は地域の宝」との信念がある▼新たな挑戦への資金協力をウェブで募るクラウドファンディングで、2月から春田さんがユニークな呼び掛けをしている。「おもちゃ美術館へ続く、おもちゃ駅を皆で作ろう!」。目標の300万円は今月上旬に達成。募集期限の24日を前に、400万円に届こうかという勢いで額が伸びている▼おもちゃ美術館とは、沿線にある旧鮎川小の校舎を活用し由利本荘市が7月に開館予定の「鳥海山 木のおもちゃ美術館」を指す。最寄りの鮎川駅の周りを改装しておもちゃ駅と名付ける。「ワクワクが集まる夢の駅にしたい」と春田さん▼由利本荘は総面積の7割以上が森林。樹木は身近な存在だ。おもちゃ美術館は木のおもちゃを親子で楽しんでもらう「木育」の場となる。市と由利高原鉄道が手を携え、おもちゃ列車も走らせる▼列車、駅、美術館の3者を「木のぬくもりを感じるおもちゃ」のコンセプトでつなぐ。なかなか創造的だ。思い描く通りの展開になるかどうかはまだ分からないが、地域に活力をもたらすのはこうした柔軟な発想かもしれない。(2018.4.21)