背番号「3」といえば、元巨人の長嶋茂雄さんを思い浮かべる。そして、この人もまた記録にも記憶にも残る名選手だ。元広島の衣笠祥雄さん。1970~80年代に一時代を築いた「赤ヘル軍団」の主軸で、プロ野球記録の2215試合連続出場の金字塔を打ち立てた▼当初、背番号は「28」。このため漫画の『鉄人28号』にちなんで「鉄人」の愛称に。その鉄人の連続試合出場の“不死身伝説”の始まりは、70年10月。以後、引退までの17年間、何と1試合も休まなかった▼79年8月の巨人戦。死球で左肩の骨にひびが入り、出場が危ぶまれたが、翌日、代打で出場した。相手は剛速球を武器にする江川卓さん。結果は3球三振。力いっぱいバットを振った姿が記憶に残る▼ルー・ゲーリッグ選手の大リーグ記録を抜く2131試合に連続出場記録を伸ばし、世界一になったのは87年6月。40歳だった。「記録の秘訣(ひけつ)は」との問いに「野球が好きで好きでたまらなかった」といかにも衣笠さんらしく▼通算本塁打は504本で歴代7位。一方で、三振は同9位の1587個、死球は同3位の161個にもなる。フルスイングを貫いた。最後までけがと格闘しながら、ボールに立ち向かった。昭和を代表する名選手がまた一人、惜しまれつつ亡くなった。
(2018.4.25)