東日本大震災の後、大規模な復興土地区画整理事業が進められた陸前高田市や岩手県大槌町。市や町が計画する住宅再建予定地に広大な空き地が生じかねないという。長期の工事を待ちきれぬ住民が離れていくためだ▼仙台市と近隣を除く宮城、岩手両県の大半の被災自治体で2045年の人口が半減~4割減の見通し-と、国立社会保障・人口問題研究所の推計で分かった。半島部の住民流出が著しい石巻市、宮城県女川町なども同様だ▼以前訪ねたことのある北海道夕張市。映画『幸福の黄色いハンカチ』で知られる往時の炭鉱町に半世紀前、11万人がいた。今はわずか8千人台。震災と産業消滅という背景の違いはあるが、衰退の行く末を知ることはできる▼財政も破綻した夕張市では税金、下水道などの料金が軒並み上がり、ごみ処理も有料化。公共施設は閉鎖され、市立病院は診療所に。市職員の数、給料はほぼ半減され、客が来ない商店街の組合も解散。若者は去り高齢化率は50%超▼連休に暗い話で恐縮だが、27年後の被災地がそうならぬため、市町村と住民が知恵を出し合いたい。現実にがんじがらめになる大人だけの発想でなく、若い世代が「こんな街でこんな夢をかなえたい」という未来図を描き加えてみてはどうか。その時間はある。(2018.5.3)