仙台市の東二番丁通を埋めた人と歓声。先日、フィギュアスケートの金メダリスト羽生結弦選手(23)=同市出身=の凱旋(がいせん)パレードを眺め、2013年晩秋の光景を思った。同じ通りに21万人が集い、初の日本一を勝ち取ったプロ野球東北楽天の選手と喜び合った▼東日本大震災から3年目の感激を再び、とファンは毎年期待する。昨季はパ・リーグ3位ながらもクライマックスシリーズで奮闘。今春のオープン戦も快調だった。が、いざ開幕からひと月余りで自力優勝が消えたとは▼最下位だった創設1年目の05年を思い出させる早い自力優勝消滅だ。これまでの戦績は8勝23敗1分け。「投手がいいと打線が振るわず、その逆も」とスポーツ部の同僚。最近仙台で見た試合でも安打がつながらず、歯車がかみ合わない▼それでも「東北のファンはいい。こちらは球団誕生から優勝まで四半世紀かかった」と広島市出身の知人。ご当地のセ・リーグ広島のファンだ。「赤ヘル旋風」で初優勝したのが1975年。「応援の言葉はきついが、選手もたくましくなる」。そんな愛情が強豪を育てた▼東北楽天のホーム試合の応援は、家族連れも若者も和やか。東北人気質か敗者に優しく、辛抱強く足を運んで勝利を待ち続ける。地元流の愛情にチームが応える番だ。(2018.5.9)