人は興味のあるものは見えるが、ないものは見えない。新聞記事も興味のある部分は人それぞれ。だからこそさまざまな分野の記事を掲載する必要があり、そこに各紙の特徴が出る。
 インターネットでニュースを見る人が増えた。私もニュースメールを毎日見ている。経済、政治、スポーツからエンタメまで、その日の主立ったニュースは全て見ることができる。見出しにざっと目を通すだけで、大体の動きが分かる。しかし新聞を取り続けているのは、やはり地元情報を得ることができるからだ。本紙も天気、イベント、スポーツ大会、訃報、学校情報、休日当番医と地元密着情報が盛りだくさんだ。これが地方紙の一つの役割である。だが、イベント当日の情報が少ない。当日朝に(も)載せてもらえると、その日の朝探す際に便利である。

 ゴールデンウイークには各地の催しの記事が掲載された。
 4月30日朝刊のワイド東北(右面)には、「大曲の花火 春の章」で3000発の花火が打ち上げられた様子が載った。その下には「米沢上杉まつり」の記事。また左面には、宮沢賢治童話村でオブジェがライトアップされたという記事がある。いずれも色鮮やかな美しい写真が目を引いた。夜空いっぱいに輝きを放つ迫力ある花火、暗闇で子どもがじっと見上げる不思議なデザインのオブジェ。細部までくっきり浮かび上がる幻想的な写真に思わず見とれた。東北にはたくさんの観光資源があるのだと、改めて感心した。
 28日朝刊の経済面に「東北の食 海外に発信 仙台の企業が新事業」の見出しで、専用ウェブページを設けて東北の魅力を海外に紹介するという記事が載った。同日の宮城版には、G7財務相・中央銀行総裁会議の会場となる仙台市太白区の秋保温泉郷が、会議に合わせて秋保をPRする英語版の観光マップを完成させたとある。翌29日朝刊経済面では、「びゅうプラザ仙台駅」がリニューアルし「外国人用の旅行カウンターや外貨両替センターを新設…仙台市の観光情報センターも移設…JR、市とも英語対応可能な職員を配置した」と報じられている。
 着々とG7会議に向けた準備が進められているようにも思えるが、これらの情報は海外の人へどれだけ届いているだろうか。

 訪日外国人のうち東北に来るのは0.9%(2015年の延べ宿泊者数)。やはり情報不足と英語対応不足が大きいと思われる。本紙に掲載されるさまざまな東北の情報のうち、海外からの観光客向け情報だけでもネットの「河北新報オンラインニュース」に英語で載せてはどうか。前述の美しい写真の数々を目にしたら、ぜひ一度見てみたいと思うのではないか。
 東日本大震災、熊本地震と自然災害が続いている。観光客が来てくれることは地元への大きな支援になる。国内だけでなく海外からの観光客を呼び込むためには、民間と行政が一体となった仕組みが必要だろう。本紙には、その先導的役割を担っていただきたい。