仙台市で開かれたG7財務相・中央銀行総裁会議が21日終了した。この会議は20日朝刊社会面に「駅や空港厳戒態勢 市内、緊張感漂う」とあるように、交通規制や要人警備が厳重で、参加者が一般の人と触れ合う機会もほとんどなかった。そのため、重要な会議であるにもかかわらず、地元の多くの人はあまり身近には感じていなかったように思う。
 20日朝刊1面で、高木毅復興相らが合同記者会見を開いて復興をアピールしたと報じた。しかし海外メディアはほとんど集まらなかった。事後連載の(上)「世界への発信」(22日朝刊社会面)でそのことを取り上げているが、20日の段階でまず触れておいた方がよかったのではないだろうか。一方、21日朝刊社会面では、仙台市荒浜小(3月末閉校)OBの高校生が会議参加者に震災体験を語った。英国のオズボーン財務相の「素晴らしい若者が育ってくれて感銘」というさりげない言葉が心に響く。

 広島市の外相会議以外、他都市で開催されたG7関係閣僚会議は事実関係を伝えるだけで、あまり詳しく取り上げられなかったように思う。15日朝刊2面「教育の国際協力推進」もそうだった。しかし、この岡山県倉敷市の会議では小学校視察が行われ、ケネディ駐日米大使が児童らと一緒に地元食材を使った給食を食べ、「健康的な食事」と感心したという。他地域の「もてなし」はG7仙台会議を評価する際にも参考になるだろう。関係都市の地方紙が協力して、それぞれの取り組みをもっと紹介してもよかったのではないか。世界に発信する前に国内への発信も重要である。
 事後連載の(下)「成果と課題」(23日朝刊社会面)によると、これまで外国人客に積極的ではなかったホテル従業員が笑顔で接するようになったという。こういう経験の積み重ねがより良い「もてなし」につながっていく。やがて東北独自の「もてなし」に育っていくよう、本紙も情報と知恵を提供し続けてほしい。
 G7仙台会議連動の夕刊連載「YOUの国 どんな国」は、在仙のG7出身者へインタビューを行っている。16日には、カナダのモントリオール市は「冬でもコートを持たずに外出できます」と、地下街の発達ぶりが紹介された。国際理解や外国への親近感は、ちょっとした興味深い話からも生まれるかもしれない。何らかの形で今後も続けてほしい企画だ。

 近くて遠い会議をより身近に感じてもらうために、さらに多様な取材と工夫ができるのではないかと思う。それは、次世代の主役である子どもに焦点を合わせた記事であったり、中高生向けの学校教材に使える記事であったりするかもしれない。あるいは、地元目線で見た「震災復興の現実」の記事を多言語で制作し、海外メディアや、ビジネスや留学で海外に行く読者が、そのまま伝えられるようにすることかもしれない。1面全体に掲載できれば、本紙の題号ごと海外に伝わるだろう。時には大胆な企画があってもいい。