24日、世界に衝撃が走った。同日夕刊1面は「英、EU離脱選択」と報じた。参院選関連報道がかすむほど、この衝撃は大きかった。翌25日朝刊1面は「キャメロン首相辞意」を伝えている。声明のポイントが表にまとめられていて分かりやすかった。2面以降は、各国の反応、国民投票の分析、日系企業の欧州戦略、東北の食品輸出への影響など、多方面にわたる関連記事が掲載されていて、事の重大性がよく伝わってくる。
 リーマンショックの時は、日本への影響は軽微といわれていたが、結局は大きな影響があった。今回も油断はできない。しっかり注視してほしい。できれば欧州で活動している東北の企業や人にも取材して、東北への影響を伝えてほしい。宮城県に限っても、欧州で輸出入、提携、進出、人材交流を行っている事業体は延べ109(英国は12事業体)に及ぶ(2014年、ジェトロ仙台調べ)。多様な示唆や教訓が得られるだろう。
 また、円高株安は暮らしにも影響を及ぼす。例えば、国民が払った国民年金や厚生年金の保険料は、その約46%が株式に投資されている(2015年末)。一般庶民も無関係ではいられない。他にも影響はあるはずだ。

 地域の課題を丹念に取材して、その答えを見いだそうとするシリーズ「適少社会」に注目している。19日朝刊3面「ソーシャルビジネス元年」では、女川の若い活動家が、人口が減っても「成り立つ地域」にすることが大事だと語っている。今、若者は補助金に頼る地域活性化に興味を示さなくなってきている。新しいトレンドが起きているのだ。18日朝刊ワイド東北面「会いに行けるあきた舞妓(まいこ)」で紹介された27歳の社長も、クラウドファンディングで資金を集めて「あきた舞妓」を始めている。
 東北発ビジネスモデルの分析を、時々でいいので、専門家の分かりやすい解説とともに「図解」入りで載せていただきたい。未来の起業家も奮い立つに違いない。例えば中高生向けに欄を作り、土曜日朝刊に掲載すれば、家族だんらんの際の話題にもなるだろう。

 今参院選、18、19歳の若者が選挙権を持つことになった。本紙の報道は「奨学金問題=若者の関心」と、ややステレオタイプに若者を捉えていないだろうか。22日夕刊河北抄「今どきの大学生にとって切実なのが奨学金」、23日朝刊2面「雇用・奨学金でも応酬」、同ワイド東北面「奨学金巡り政策を比較」などである。
 一方、22日朝刊くらし面「18歳は早くない」は、日本とオランダの若者の政治参加を比較していて興味深い。仮に入り口が奨学金問題であっても、その先を若者に自由に語ってもらってもよいのではないだろうか。
 東北や宮城において、広い視野と進取の気性に富む人材を育み、それを次世代につなげていく力が本紙にはある。そのためにも、世界と地域のつながり、地域活性のモデル化、育ちゆく地域の子どもや若者たちを、丁寧に深く取材し、発信し続けていってほしい。