暑い夏が訪れ、東北各地で夏祭りが開かれた。
 東北三大祭り(青森ねぶた、秋田竿燈、仙台七夕)の他にも、各地の祭りの様子が美しい写真と記事で紹介されている。毎年二十数万人の人出でにぎわう東北六魂祭の各県開催により、山形花笠まつり、盛岡さんさ踊り、福島わらじまつりも認知度が高まっている。
 能代、湯沢、五所川原、八戸など東北各地で行われたお祭りも随時掲載された。各地域の人たちが力を入れている祭りを丁寧に紹介することで、魅力が広く世間に知られる。東北の観光振興に大いに役立つはずだ。
 2日朝刊1面には「東北観光復興へ25億円」という記事が載った。政府が東北の観光復興を支援するための第1回交付金として6県に配分する。広域観光ルートの開発や海外向けPR事業などに活用し、訪日外国人客の増加につなげるのが目的という。宮城県への5億4000万円をいかに効果的に使うのか。本紙には、必要な施策や市民レベルでできる方策なども提言していただきたい。

 今年の8月はイベントやニュースがめじろ押しである。5日にはリオデジャネイロ五輪が開幕した。開会式の模様や各競技の記事が連日紙面をにぎわせている。
 メダル獲得の瞬間が迫力ある大きな写真とともに次々報じられ、日本国中が興奮と感動の熱い日々を共有している。選手の晴れやかな表情の裏にある長年の努力と苦悩の日々、家族と指導者の支えや苦労が掲載される。読者もわがことのようにうれしい気持ちに浸りながら読んでいるのではないか。
 メダルを獲得した選手だけでなく、全ての選手に、もっと言えば五輪に出られなかった選手やその家族にも、さまざまな物語があることだろう。そうした記事も、これから五輪を目指す子どもたちや被災地へのエールになる。
 一方、今回のリオ五輪に関しては、貧困や格差、テロや環境問題など、世界情勢の負の部分についても報道されている。
 6日朝刊の社会・総合面では「『平和の祭典』世界思い複雑」の見出しで、五輪を巡る世界の人々の思いを紹介した。ロシア国民はドーピング問題で複雑な感情を抱き、内戦下のシリアでは五輪開催自体を知らない人もいるという。「五輪は日々の暮らしを考えなくてもよい人たちのもの。別世界の話だ」という、41歳の運転手の言葉は衝撃的である。

 7日朝刊の国際・総合面の記事「経費削減の開会式 環境保護 世界に提起」では、開会式は豪華絢爛(けんらん)である必要はなく、低予算で実施できると指摘している。その通りだろう。華やかな五輪の影の部分を描くことも、新聞の重要な役割である。今後、2020年東京五輪に向けて、日本は多くのことを考えなければいけない。
 東日本大震災を経験したわれわれは、日々の暮らしにおける電気や水の大切さを身をもって知っている。現場を見続けてきた本紙だからこその五輪の在り方を、今後提案してはいかがだろうか。