私の紙面センサー執筆も最終回となった。1カ月に1回とはいえ文章を生み出す難しさを実感し、それを日常的に書いている記者、コラムニストの方々の大変さを想像した。
 新聞の中心はニュースだが、「おじさん図鑑」(日曜日朝刊)、「週刊きみどり」(火曜日夕刊)などのエッセーも楽しい。ユーモアとウイットに富み、分かりやすい文章ながら時に鋭い視点で社会問題に切り込んでいる。
 9月4日朝刊オピニオン面の「デスク日誌」は見出しについて書いていた。牛の話題に「モー」や「ウッシシ」を使うのは安易で恥ずかしいとある。9日の「デスク日誌」にも「見出しがなかなか決まらない」「短くすると意味が変わってしまうことがある」と、現場の苦労が紹介されていた。読者は自分にとって関心のないことでも、見出しから情報を得ることができる。短い言葉で大体の内容が分かり、中にはクスッと笑える秀逸なものもある。これからは見出しの付け方に注目して新聞を読むのも面白いと思っている。

 朝刊文化面に随時掲載の「転換への一歩」、8日のテーマは「進化続ける人工知能」だった。ディープラーニング(深層学習)の応用によりコンピューターは膨大なデータを自分で学習し賢くなることが可能になり、「練習して上手になる仕事なら人工知能(AI)が担えるようになる」と研究者は言う。8月5日朝刊の社会・総合面には「AI 10分で白血病診断」というニュースが載った。AIが白血病を10分で見抜き、適切な治療法を助言したという。ついにここまで来たかと感じた。
 9月7日朝刊4面の記事「ネットで子育て手続き」によると、子育て世帯が窓口に出向く手間を省くため、保育所の入所手続きなどを電子申請で行えるサービスを政府が来年始めるという。翌8日朝刊宮城版には、子どもの予防接種時期をメールで父母に通知するサービスを登米市が始めたという記事が載った。
 時代の流れを概観できるのが新聞の特長の一つだと改めて思う。
 AIの進歩により「消えてなくなる仕事、残る仕事」が最近話題になった。今の子どもたちが「なりたい仕事」が10年後にはなくなっているかもしれない。教育現場でも、そんな世の中の動きを把握することの重要性が指摘されている。AIの発展とともに今後求められるのはどのような人材なのかについての特集も期待したい。
 将来は、より高度でクリエーティブな仕事が残るといわれる。メディアのように文章を書いて多くの人々に情報や思い、感動を伝える仕事はなくならないだろう。

 インターネット普及に伴い、新聞の在り方が議論されている。私個人としては、一目で幅広い情報を得ることができる紙の新聞はなくならないでほしい。東日本大震災の翌日、大きな写真が載った2枚(8ページ)だけの新聞に本紙の気概を感じ、感動したことを覚えている。今後も地域に根ざした多くの記事を載せてもらいたい。