11月中旬から、東北を含む各地で鳥インフルエンザの感染が広がり、本紙も連日取り上げている。12月1日朝刊宮城版の記事「伊豆沼2カ所で消毒用石灰まく」に、宮城県内の研究者のコメントが載っていた。「鳥インフルエンザはあくまで鳥の病気で、人間に感染することは考えられない」というものである。「ん?」と思った。
 数年前、中国でH7N9型鳥インフルエンザに感染して人が死亡したケースが記憶にある。今回、新潟や青森、秋田、岩手、宮城で確認されたH5N6型に関しても、中国で同型に感染した人が死亡したことが報じられている。感染死亡者の多くは鳥の死骸や大量のふんに触れる機会があったとされるが、それにしても「人間に感染することは考えられない」は間違いである。記者は十分に知見を調べて記事を書いてほしい。過去の例を別稿で紹介してもよかった。
 12月3日朝刊1面の「河北春秋」で、鳥インフルエンザが新型インフルエンザに変異し、人間に感染する恐れがゼロではないことを指摘してくれており、少し安心した。野鳥を介した感染のためか、被害が各地に及んでいる。これまでの感染報告地点を地図上でまとめて見せれば、多くの読者が人ごとではないと知り、予防意識を高めてくれると思う。

 4日朝刊1面の「局面断面 東日本大震災」は「復興支援の学生団体 岐路」の見出しで、復興支援学生団体の活動意欲低下、人手不足の問題を取り上げた。宮城復興局がワークショップを開催し、岩手、宮城、福島3県の20の学生団体が課題を話し合ったという。
 記事では「目に見える形の復旧はめどが立ったが、まだ支援が必要だということが忘れかけられている」という学生の危機感が紹介されている。しかし、こう嘆く学生が、これまでどんなボランティアをしてきたのか、また、前述のワークショップで各団体の学生が顔を合わせたことで生まれたと思われる打開策が書かれていなかった。多くの人が支援意欲を低下させる中、それでも活動を続けようとする学生はすごいと思う。彼らの活動内容にも記事でスポットを当てることで、ぜひ本紙も学生の活動を応援してもらいたい。

 3日朝刊のワイド東北面には、うれしいニュースがあった。10日のJR常磐線相馬(相馬市)-浜吉田(宮城県亘理町)運行再開に合わせ、福島県新地町の新地駅前で、新地高生らがワッフルを無料提供するカフェを開設するという。「私たちが行動すれば、乗客に『新地は活気がある』と思ってもらえる」という生徒会長のコメントに、パッと心が明るくなる。
 東北写真記者協会の新聞部門協会賞に、本紙・渡辺龍記者(9月に病気で死去)らの「未来へ 笑顔の5歳」が選ばれた(3日朝刊社会・総合面)。渡辺記者の作品には、宮城県南三陸町の幼稚園児2人が手をつなぎ、笑顔で歩く様子が写る。写真の男の子と女の子のように、読者の心が温まり、元気になれるような記事も楽しみにしている。