11日で、東日本大震災から丸6年となった。本紙も連日、関連記事を掲載している。1日朝刊1面には、2020年東京五輪が復興に役立つかどうか「何とも言えない」が54.8%という被災地首長アンケート結果が載っている。11面の特集によると、被災地首長が感じる復興度は70%という回答が最多だった。数値化されたことにより、まだまだ復興には時間が必要であることが分かる。
 11面の図では、岩手、宮城、福島3県の地図に、沿岸各市町村の復興度合い(各首長回答)が表で示されている。復興度合いにばらつきがあり、復興度50%以下の所が福島県に多いことが、はっきり見える。本紙らしい視点だ。

 連日の記事を読むと、震災の後遺症のように、至る所でさまざまな新しい問題も噴出し、その対応に追われ苦悩する人々の姿がある。先が見えにくい状態で、どうしていけばよいのか? 問題の大きさに、改めて震災の影響の大きさを知る。
 そんな中でも、1日から7回にわたって朝刊宮城版に連載された「私の一歩」では、被災した人々が元気を取り戻そうと奮闘している様子が分かる。
 1回目の佐藤紀子さんは津波で義父を亡くし、自宅も流された。「死にたい」とまで落ち込んだ状態から立ち直ったきっかけは、お菓子作りだった。自分で作ったお菓子を仮設住宅の知り合いに持って行ったところ、大変喜ばれ、生きる目標を見つけたという。作ったケーキとともに写真に写る佐藤さんの表情は、とても生き生きしている。
 困難のただ中にある被災地でも、そこに暮らす一人一人が喜びや生きがいを見いだして生きる様子に、こちらも元気をもらえた。
 4日朝刊では、宮城県南三陸町の「南三陸志津川さんさん商店街」開業が大きく取り上げられた。多くの来客でにぎわい、店主の皆さんの希望に満ちた表情が大きい写真で紹介された。取材するカメラマンの応援姿勢も感じられる写真だ。見る側も「頑張って」と熱い気持ちになる。
 6日朝刊社会面に載っていたのは、宮城県亘理町でイチゴを1141人が一斉に摘み取り、ギネス世界記録に認定されたという話題。津波被害に遭ったイチゴ生産団地の復活をアピールする催しだった。
 年間収穫量は震災前の7~8割までに回復しているとのこと。ハウスの中、たくさんの人が赤いイチゴを掲げる写真がいい。皆さんの朗らかな表情に、こちらも甘酸っぱい気持ちになり、春の訪れさえも感じた。

 東日本大震災から6年。まだまだなことも確かだが、苦しみながらも前を向き、誰かのことを思いながら生きることで生まれる笑顔が、今はある。
 本紙は、これからも世の中の課題を見据え、解決策を提言すると同時に、地域に暮らす人々の喜びや笑顔を記事にすることで、読者の皆さんに、生きる希望と歩み続ける勇気を届けてほしい。