1月23日に、群馬県草津町の草津白根山が噴火した。5日後の28日には、東北でも宮城、山形両県にまたがる蔵王山(蔵王連峰)で火山性微動が継続的に観測された。蔵王山の火山防災協議会が周辺自治体における避難促進施設の選定基準案をまとめた直後である。
 30日に観測開始以来最大の振幅の火山性微動が観測され、仙台管区気象台は同日、小規模な水蒸気噴火が発生する可能性があるとして、噴火警戒レベルを1から2に引き上げ、噴火警報(火口周辺)も発表した。

 ここで、本紙朝夕刊に掲載された蔵王山関連記事の見出しをたどっていこう。
 1月30日 蔵王山で火山性微動
   31日 蔵王山警戒レベル2に/小規模噴火の可能性/噴火警戒レベル引き上げ/5市町注意を喚起/両県が緊急会議/温泉・観光地 客足への影響懸念/蔵王山 火山性地震10回
 2月1日 火山性地震12回 地殻変動続く/噴火発生時の初動対応確認 蔵王町警戒本部会合/風評防止へ情報発信 山形の観光協申し合わせ/周辺温泉地安全を強調
   2日 火山性地震4回 上空から観測 異常見られず/火山性微動観測
   3日 火山性微動観測/情報早期に 蔵王町 噴火警戒で区長会/地域の活性化や災害対応で連携/蔵王町と財務局が協定/火山性地震1回
   4日 東北のスキー場 緊張走る
 火山性微動の観測状況を継続的に紙面で知らせるとともに、行政や地域の警戒体制や観光への影響の対策など、さまざまなセクターの対応状況が紹介されており、事態の推移が把握しやすい。
 ウェブサイト「河北新報オンラインニュース」も見てみたい。トップページの右側には「防災情報 東北」というバナーがあり、地震、津波、大雨のほかに火山に関する情報も集約されている。
 それだけでなく、ぜひ先に挙げた蔵王山に関する各記事を時系列で掲載してほしい。本紙の丹念な取材により、さまざまなセクターの対応状況が記事になっているにもかかわらず、サイト上には個別的にアップロードされるにとどまっている。これらの記事は、それぞれを検索しなければ閲覧することができない。時系列で一覧できれば、読者の状況把握や行動のための意思決定に、より貢献することができる。
 そう考えていたら、5日夕、「防災情報 東北」の下に新しいバナー「蔵王山情報」ができていた。クリックすると、蔵王山関連記事がまさに時系列で一覧できる特集ページが追加されていた。思いが通じたのかもしれない。

 本紙は、東日本大震災や関東・東北豪雨災害などの突発性災害の経験を積んできている。今回のような非突発性の事態においても、災害報道のモデルを確立してほしい。県域をまたぐ事態であるからこそ、ブロック紙が果たせる役割は大きい。